Linux編 S1E3: ファイルの整理術
第一幕: 新しい挑戦の始まり
前回の2×2×2システム構築から数日が経った。私は浩三さんが教えてくれた方法で、自分なりのシステムを作って練習していた。今日もいつものように、カフェで浩三さんと会うことになった。

私
浩三さん、こんにちは!前回教えていただいた方法で、自分でもシステムを作ってみました!

浩三
それは素晴らしい!どんなシステムを作ったんですか?

私
2×2×2の構造で、各階層にいろいろなファイルを作って実験してみました。でも、ファイルが散らかってしまって…

浩三
なるほど、それはよくあることです。今日は、ファイルを整理する技術を教えてあげましょう。
第二幕: システムの現状確認

浩三
ノートパソコンを開き、仮想マシンを起動する

浩三
まず、散らかったファイルを整理するためのデモンストレーションをしましょう。
Input
mkdir file-management-demo
Input
cd file-management-demo
Input
pwd
Output
/home/hiromitsu/file-management-demo
Input
touch report1.txt report2.txt draft.txt notes.txt temp.txt backup.txt
Input
ls
Output
backup.txt draft.txt notes.txt report1.txt report2.txt temp.txt
現在の構造
file-management-demo/
├── backup.txt
├── draft.txt
├── notes.txt
├── report1.txt
├── report2.txt
└── temp.txt

私
わあ、確かに散らかってますね。これを整理するんですね?

浩三
その通りです!まず、ファイルを移動したり名前を変更したりするmv
コマンドを学びましょう。
第三幕: ファイル移動の基本 - mv コマンド

浩三
mv
コマンドは「Move」の略で、ファイルを移動したり、名前を変更したりできます。
Input
mv draft.txt draft-v1.txt
Input
ls
Output
backup.txt draft-v1.txt notes.txt report1.txt report2.txt temp.txt
現在の構造
file-management-demo/
├── backup.txt
├── draft-v1.txt # リネーム完了
├── notes.txt
├── report1.txt
├── report2.txt
└── temp.txt
Explanation
ファイルやディレクトリを移動・リネームするコマンド。
mv
は “Move” の略- 同じディレクトリ内では「リネーム」
- 元のファイルは残らない(移動するため)
mv 元ファイル 新しいファイル名
の形式
リネーム後の構造
file-management-demo/
├── backup.txt
├── draft-v1.txt # draft.txt から変更
├── notes.txt
├── report1.txt
├── report2.txt
└── temp.txt

私
draft.txtがdraft-v1.txtに名前が変わりました!元のファイルは消えてますね!

浩三
そうです!mvは移動なので、元のファイルは残りません。今度は、ファイルを別のディレクトリに移動してみましょう。
Input
mkdir reports
Input
mv report1.txt report2.txt reports/
Input
ls
Output
backup.txt draft-v1.txt notes.txt reports temp.txt
現在の構造
file-management-demo/
├── backup.txt
├── draft-v1.txt
├── notes.txt
├── reports/ # 新しく作成
│ ├── report1.txt # 移動完了
│ └── report2.txt # 移動完了
└── temp.txt
Input
ls reports/
Output
report1.txt report2.txt

私
レポートファイルがreportsフォルダに移動しました!こちらからは消えています!
ファイル移動後の構造
file-management-demo/
├── backup.txt
├── draft-v1.txt
├── notes.txt
├── reports/
│ ├── report1.txt # 移動
│ └── report2.txt # 移動
└── temp.txt
第四幕: 詳細な整理作業

浩三
今度は、さらに詳細な整理をしてみましょう。アーカイブフォルダを作って、古いファイルを移動します。
Input
mkdir archive
Input
mv backup.txt temp.txt archive/
Input
ls
Output
archive draft-v1.txt notes.txt reports
現在の構造
file-management-demo/
├── archive/
│ ├── backup.txt # 移動完了
│ └── temp.txt # 移動完了
├── draft-v1.txt
├── notes.txt
└── reports/
├── report1.txt
└── report2.txt
Input
ls archive/
Output
backup.txt temp.txt

私
古いファイルが整理されました!フォルダ構造がとても綺麗になりましたね!
アーカイブ後の構造
file-management-demo/
├── archive/
│ ├── backup.txt # アーカイブ
│ └── temp.txt # アーカイブ
├── draft-v1.txt
├── notes.txt
└── reports/
├── report1.txt
└── report2.txt

浩三
その通りです!mvコマンドを使えば、ファイルを論理的に整理できます。複数のファイルを一度に移動することも可能です。
第五幕: 不要ディレクトリの削除 - rmdir コマンド

浩三
最後に、空になったディレクトリを削除する方法を学びましょう。rmdir
コマンドです。

浩三
ただし、これも慎重に使ってください。まず、アーカイブフォルダを空にしてから削除してみましょう。
Input
rm archive/backup.txt archive/temp.txt
Input
ls archive/
Output
# 空のディレクトリ(何も表示されない)
Input
rmdir archive
Input
ls
Output
draft-v1.txt notes.txt reports
Explanation
空のディレクトリを削除するコマンド。
rmdir
は “Remove Directory” の略- 空のディレクトリのみ削除可能
- 中身があるディレクトリは削除できない
- 安全な削除方法(誤削除防止)
rm -r
は中身があっても削除可能だが危険
ディレクトリ削除後の構造
file-management-demo/
├── draft-v1.txt
├── notes.txt
└── reports/
├── report1.txt
└── report2.txt

私
空のフォルダだけ削除できるんですね!安全な設計で安心です!

浩三
そうです!rmdirは安全性を重視した設計になっています。中身があるディレクトリは削除できないので、誤削除を防げます。
第六幕: 実践的な整理作業

浩三
今度は、もう少し実践的な整理をしてみましょう。プロジェクトごとにファイルを分類します。
Input
mkdir projects
Input
cd projects
Input
pwd
Output
/home/hiromitsu/file-management-demo/projects
Input
touch project-a.txt project-b.txt meeting-notes.txt
Input
mkdir project-a project-b meetings
Input
mv project-a.txt project-a/
Input
mv project-b.txt project-b/
Input
mv meeting-notes.txt meetings/
Input
ls
Output
meetings project-a project-b
現在の構造
projects/
├── meetings/
│ └── meeting-notes.txt # 移動完了
├── project-a/
│ └── project-a.txt # 移動完了
└── project-b/
└── project-b.txt # 移動完了

私
プロジェクトごとに完璧に整理されました!これで作業がとても効率的になりそうです!
最終的な整理構造
projects/
├── meetings/
│ └── meeting-notes.txt
├── project-a/
│ └── project-a.txt
└── project-b/
└── project-b.txt

浩三
その通りです!mvコマンドとrmdirコマンドを組み合わせれば、どんなに散らかったファイルも綺麗に整理できます。
第七幕: 整理術のまとめ

浩三
これで、ファイル整理の基本技術は完璧です。システム構築と整理術を組み合わせれば、完璧なデジタル環境を作れます。

私
はい!mkdir、cp、touch、rm でシステムを作って、mv で整理して、rmdir で掃除する。完璧なワークフローですね!

浩三
そうです!前回のシステム構築と今回の整理術を組み合わせれば、どんなプロジェクトでも効率的に管理できます。

浩三
実際の作業では、定期的にファイルを整理することが大切です。散らかる前に、こまめに整理する習慣をつけましょう。

私
ありがとうございます!今度は自分のプロジェクトを整理してみます!
この日、私はLinuxでのファイル整理術を学んだ。移動、リネーム、ディレクトリ削除…これらの技術があれば、どんなに散らかったファイルでも美しく整理できる。浩三さんの教えてくれた方法で、デジタル環境をより効率的に管理できるようになった。
今日学んだLinuxコマンド
mv (Move)
- 用途: ファイルやディレクトリを移動・リネーム
- 基本構文:
mv 元ファイル 新しい場所またはファイル名
- 応用:
mv file1 file2 directory/
で複数ファイルを移動 - 重要性: ファイル整理の基本
rmdir (Remove Directory)
- 用途: 空のディレクトリを削除
- 基本構文:
rmdir ディレクトリ名
- 重要性: 安全なディレクトリ削除
今日のまとめ
秋葉原のメイドカフェで、浩三さんがファイル整理の技術を教えてくれました。mvコマンドでファイルを移動・リネームし、rmdirコマンドで空のディレクトリを安全に削除する方法を学びました。これで、前回のシステム構築技術と合わせて、完璧なファイル管理ができるようになりました!
全コマンドリファレンス
✅ 学習済みコマンド
- pwd - 現在のディレクトリパスを表示
- ls - ディレクトリの内容を一覧表示
- cd - ディレクトリを移動
- mkdir - ディレクトリを作成
- rmdir - 空のディレクトリを削除
- touch - 空のファイルを作成、タイムスタンプを更新
- mv - ファイル・ディレクトリを移動・リネーム
- cp - ファイル・ディレクトリをコピー
- rm - ファイル・ディレクトリを削除
📚 今後学習予定のコマンド
テキスト表示・編集
- cat - ファイルの内容を表示
- more - ファイルの内容をページごとに表示
- less - ファイルの内容をスクロール表示
- echo - テキストを出力
リダイレクト・パイプ
- > - 出力をファイルに書き込み(上書き)
- >> - 出力をファイルに追記
- | - コマンドの出力を別のコマンドに渡す
検索・フィルタ
- grep - テキストパターンを検索
- egrep - 拡張正規表現でテキスト検索
- find - ファイル・ディレクトリを検索
進捗: 11/19 コマンド完了
ファイル管理ベストプラクティス
- 定期的な整理: 散らかる前にこまめに整理
- 論理的な分類: プロジェクトや用途別にディレクトリを作成
- 命名規則: 一貫した命名規則でファイル名を管理
- 安全な削除: rmdirで安全にディレクトリを削除
- バックアップ: 重要なファイルは移動前にコピーを作成